我々の身の回りには関数,写像の言葉があふれている.2次関数や3角関数のグラフ,関数を微分する,積分する,複素関数論,多変数関数論,ベクトル関数等々.この書では,日常的な写像の本質,根源的意味を考える.なぜ数学で,ひいては数学教育で,写像の概念が重要であるかということの理解は,この議論抜きには考えられない.
そのためには写像の“実在性,構成可能性”について深く考えることが必要である.そうすれば,写像の存在は我々人間の“有限性”と無関係ではないことがわかるであろう.結局,“選択公理”抜きには写像の存在は語れないのである.この書では,第3章と第4章においてこれらを詳説している.これがこの書の特徴であるといえる.この他,写像を用いて展開される濃度,順序数,連続性について説いている.
また,理解を確認するために多くの演習問題と解答が付けてある.
新刊
ISBN 4-946552-26-X  溝上著 A5 p.246■1700円+税(1785円・税込)
目次
第0章 集合論の準備 第5章 濃度
0.1 集合 5.1 同等な集合
0.2 集合の演算 5.2 濃度の大小関係,演算
0.3 直積 5.3 可算濃度
0.4 集合族 5.4 連続濃度
0.5 同値関係 5.5 濃度のべき
0.6 順序集合 第6章 順序数
第1章 実数の基本的性質 6.1 順序同型な集合
1.1 実数の基本的性質 6.2 順序数の整列性
第2章 無限との相克 6.3 濃度と順序数
2.1 ユークリッド幾何学の場合 6.4 順序数の和と積
2.2 統計学の場合 6.5 超限帰納法
2.3 文字式 第7章 連続写像
第3章 写像,関数 7.1 連続写像の定義
3.1 写像の定義 7.2 連続写像の同値性
3.2 写像の表現 7.3 連続写像の濃度
3.3 写像の本質
3.4 写像の演算
第4章 選択公理
4.1 選択公理の導入
4.2 ツォルンの補題
4.3 ハウスドルフの補題
4.4 整列集合
4.5 選択公理によせて
4.6 選択公理の使用例
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Published by Yokohama Publishers 横浜図書