コンタクト・プロセス(contact process)は,伝染病,流行や噂の伝播,森林火災,パーコレーション(浸透),生成消滅する粒子系,インターネット上の通信等のモデルとして,数学,物理学,化学,生物学,地学,工学,社会学などで昨今世界的に注目され,活発に研究がなされている.
 本書はそのコンタクト・プロセスについて,特にその相転移現象に関して書かれた日本では初めての専門書である.具体的には主に相関不等式とハリスの補題を用いて得られた結果を,詳細な文献リストを付けると共に,上記の証明の基本的なアイデアと流れがよく理解できるように解説されている.
 読者として,確率論の基礎を習得した,コンタクト・プロセスのような格子空間上の確率モデルに興味を持つ学部学生,大学院生,及び様々な分野の研究者を想定している.
ISBN 4-946552-07-3 今野紀雄著 A5 p.112 ■1715円(1801円・税込)
目次
第1章 コンタクト・プロセスとは
はじめに
コンタクト・プロセスの定義と性質

第2章 相関等式
はじめに
A)の相関等式
A)の相関等式と自己双対性
双対性について

第3章 Harris−FKG 不等式法
はじめに
Harris−FKG 不等式
Harris−FKG 不等式による第1近似
Harris−FKG 不等式による第2近似
Harris−FKG 不等式による第3近似
Harris−FKG 不等式による第4近似
第4章 Harris の補題と Katori-Konno 法
はじめに
Harrisの補題
Katori-Konno 法による第1近似
Katori-Konno 法による第2近似
Katori-Konno 法による第3近似

第5章 BFKL 不等式
はじめに
BFKL 不等式
BFKL 不等式法
BFKL 不等式と確率測度
BFKL 不等式と吸引性

第6章 Holley-Liggett 法
はじめに
Holley-Liggett 法
Holley-Liggett 法の適用限界

第7章 Holley-Liggett 法に対応する相関不等式
はじめに
相関等式と相関不等式

第8章 拡散的なコンタクト・プロセス
はじめに
秩序変数に対する上限
未解決問題周辺

第9章 ツリー上のコンタクト・プロセス
はじめに
2つの相転移現象
Harrisの補題による結果
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Published by Yokohama Publishers 横浜図書