Mathematical Reviews, Zentralblatt MATH 書評掲載
「グラフ理論」といえば,点と線からなる素朴な図形を対象に,組合せ理論もしくは離散数学の一分野として,20世紀後半に急速に成長を遂げた数学で,情報科学の基礎となる数学の一つに数えられている.その「グラフ理論」の前に「位相幾何学的」が付くと,曲面上や空間の中で踊るグラフのスリムな姿態に執着した独特な雰囲気の幾何学が展開する.本書は,黎明期を終えた位相幾何学的グラフ理論に触れることのできる国内初の入門書である.
ISBN 4-946552-05-7 根上生也著  A5 p.112 ■1810円+税(1901円・税込)
目次
第1章 閉曲面上のグラフとオイラー数
グラフ理論から
グラフの埋め込み
閉曲面
オイラーの公式
グラフの種数
埋め込みに付随するグラフ
正則地図
練習問題
第2章 グラフ・マイナーと埋め込み
Kuratowskiの定理
グラフ・マイナー
Wagner予想
埋め込みのrepresentativity
平面的グラフの埋め込み
埋め込みの総数
練習問題
第3章 三角形分割の対角変形
Wagnerの定理
三角形分割の生成
対角変形と辺の縮約
一般の閉曲面上の対角変形
第4章 グラフの被覆と平面性
グラフの平面的被覆
射影平面的グラフの特徴づけ
平面的被覆とグラフ・マイナー
平面的被覆を持たないグラフ
第5章 空間グラフのラムゼー定理
ラムゼー定理
グラフの空間埋め込み
完全二部グラフの埋め込み
「ラムゼー定理」の証明
練習問題
参考図書
参考文献
練習問題の解答
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Published by Yokohama Publishers 横浜図書